私の市販教材と教室用教材の違い
問題を難しくすればするほど売れなくなるので,市販の教材には本当に難しい問題は入れていません。唯一の例外は「賢くなる算数 全96冊」で,これには教室で使う問題をすべて数値を変えて入れました。完成までに2年4カ月かかり,この間,最低でも週に4日は教室の床で寝袋にくるまって寝ていました。
「賢くなるパズル」は「たし算 初級」「かけ算 初級」を思い切り易しく作り,2006年7月に出したところ,すぐに増刷が決まりました。その後,立て続けに,「たし算 中級」「かけ算 中級」「四則 初級」「四則 中級」を徐々に難しくしながら作り,最後に「たし算 上級」「かけ算 上級」「四則 上級」をうんと難しく作りました。
当たり前のことですが,売れ行きは,初級>中級>上級の順に下がっていきました。
9冊出せたことで私は満足したのですが,編集者が
「幼稚園児向けにもう1冊出しましょう!」
と言い出しました。
「あの初級より易しいパズルは教室にはないなあ。」
と思いましたが,計算のいらないパズルをうんと易しくして作ってみると
「賢くなるパズル 入門編」は2時間半くらいで完成しました。
「こんなに簡単でいいのかな。」
と思いましたが,私の著書の中では一番たくさん売れて,今でも売れ続けています。
その後,大人向けに新書版「賢くなるパズル」も作りました。
「たし算ひき算」「かけ算わり算」「四則」は難しくはありませんが,「賢くなるパズルEX」の「たし算ひき算」「かけ算わり算」は超絶に難しく,1冊作るのに何百時間かかったかわかりません。でも,2年経っても増刷がかからず,あえなく絶版になってしまいました。
というわけで,本当に難しい問題は教室にしかありません。
0コメント