第211回 自然栽培、自然療法、自然学習(2024年10月20日~)

第211回 自然栽培、自然療法、自然学習(2024年10月20日~)

肥料と農薬は農作物の収穫高を劇的に上げ、戦後の厳しい食糧事情を改善し、多くの人を飢餓から救いました。

そして、その後の高度成長に伴う人口急増を乗り切ることができたのは間違いなく肥料と農薬のお蔭です。

でも、もう土、地下水、大気が悲鳴を上げ、限界です。

肥料を与えると作物はすぐに大きくなりますが、養分なので多くの生き物が餌を求めて寄って来ます。

中には作物そのものを餌にする人間にとって不都合な生き物(害虫と呼ばれています)もいますので、駆除するために農薬を撒きます。

「自然栽培ひとすじ」(木村秋則 創森社)によると与えた肥料のうちの半分は気化し、残りの半分が土に吸収されますが、これをバクテリア、雑草が消費し、ターゲットの作物に届くのは与えた量の10%くらいだそうです。

与え過ぎた肥料は人体に有害な硝酸態窒素として作物に蓄積されます。

また、肥料に含まれる亜酸化窒素は二酸化炭素の300倍の温室効果があり、地球温暖化の元凶のようです。

農薬の害は言わずもがなでしょう。

害虫だけではなく、すべての生き物を殺し、地下水を汚し、川を汚し、海を汚します。

農作物の栄養価も下がっています。

少し前まで日本は

「水と安全は只の国」

と言われていました。

今、どちらも只ではありません。

OECD主要国の1haあたりの農薬使用料(kg/ha)

ニュージーランド 0.27

カナダ      0.39

・・・・・・・・・・・・・

ベルギー     7.11

韓国      12.41

日本       16.99 

日本はニュージーランドの60倍以上の農薬を撒いているのです。

欧米の日本旅行者向けの案内にはこんなことが書かれているそうです。

「日本の野菜にはたくさんの農薬が使われていますので、生野菜は食べないようにしましょう。」

こんなことがいつまでも続いていいはずがありません。

土を回復させれば肥料がなくても作物は育ち、肥料を使わなければ不都合な生き物が大量に寄って来ることはありません。


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